塗料

下塗り:ハイポン20デクロ

下地調整と溶接補強・シーリングをして下地を丹念に整えた後に、いよいよ塗装作業に入ります。

まず「下塗り」で「立体駐車場床専用塗料(ハイポン20デクロ)」をふんだんに使用し、刷毛とローラーを使い分けて、しっかりとさび止めをします。

ハイポン20デクロ

塗膜の柔軟効果(内部応力の低下)

さび面はさび粉や空間部が多く付着力の弱い層です。下図はさび層に「ハイポン20デクロ」と従来の「エポキシプライマー」で塗装した場合の比較です。(※2種ケレン面の残存さび層の拡大図)

ハイポン20デクロ

柔軟な塗膜のため、さび層を引き起こさない。

従来のエポキシプライマー

塗膜が「硬化」や「温度変化」で縮小してさび層を引き起こし、腐食が進行しやすい。

イオン交換体の効果

腐食性物質の塩分(塩素イオン)をキャッチするイオン交換体を塗料中に含有し、海塩粒子の悪影響から鉄を保護します。

中塗り・上塗り:タイヤの摩耗に強い塗料

その後の「中塗り」と「上塗り」作業ではクリンカラーに代表されるように「防塵床用塗料」や、「立駐機床用」を使用し、十分な厚みのある塗膜に仕上げていきます。

一般塗料ではタイヤとの摩耗によって床面の塗料がすぐに剥がれてしまう傾向がありました。専用塗料で強力な塗膜を形成することで、タイヤとの摩耗に耐えうる塗膜に仕上げます。一方でタイヤと接触しない部分には自然環境に強いシリコン系やフッ素系、ラジカル制御型の塗料で塗装をするなど使い分けもしています。

乗用車によるタイヤ跡試験

下記の図は塗装後、気温23℃の条件で24時間と48時間経過した床の上に乗用車を24時間駐車し、タイヤ跡の付き方を評価したものです。「一般ウレタン系塗料」よりも「立駐機専用塗料」の方が跡が残りにくい結果となっています。

ニッペ立駐機用

一般ウレタン系塗料(2液形)

特徴

  1. 速乾性:塗装後48時間(23℃)以上の乾燥で立駐機が使用できます。
  2. 耐磨耗性・耐薬品性:塗膜が硬く、耐磨耗性、耐薬品性に優れています。
  3. 耐候性:耐候性に優れ、屋外にも最適です。
  4. 作業性:はけ・ローラーによる作業性に優れています。

用途(屋内外用)

  • 立体駐車場(機械式・昇降式):パレット、鉄骨(支柱)
  • 立体駐車場(自走式):床面(金属面)、鉄骨(支柱)

タイヤと床の耐摩耗性試験

一番左が立体駐車場の専用塗料です。タイヤに対する摩耗で一番強い結果となっています。実際に塗膜が固いので、そのような結果となったのだと思われます。

テーバー試験(摩耗論CS17、荷重500g×2、1000回転)JIS K 5600-5-9に準ずる。
塗装後、気温23℃の条件で48時間経過した各種塗板を回転物にペーパーを取り付けたもので研磨し塗膜の磨耗状態・量を評価。

塗装方法・乾燥時間

  • 塗装方法:はけ・短毛ローラー
  • 希釈剤(春秋冬):ハイポンウレタンシンナー
  • 希釈剤(夏):ハイポンウレタンシンナーS
  • 希釈率:5~10%
  • 使用量:0.13kg/㎡/回
  • 乾燥時間:指触乾燥(5分・23℃)、半硬化乾燥(20分・23℃)
  • 塗り重ね乾燥時間:2時間以上

※上記の各数値は全て標準のものです。被塗物の形状、素地の状態、気象条件、施工条件によりそれぞれ多少の幅を生じることがあります。