さびに強い下塗り
ほとんどの機械式立体駐車場は屋外にあります。つまり、強い紫外線や雨など常に厳しい自然環境にさらされ続けています。傾斜もなく縞鋼板のパレットは雨水も残りやすくなり、真夏は鉄部の温度上昇が激しくなります。
弊社では、日本ペイントのさび止め塗料「ハイポン20デクロ」を筆頭に、錆の状況に合わせてエポキシ系の2液塗料をメインに強力にさびを防止しています。
下塗りの重要性
基本として錆止めは上塗り以上に肉厚を付けて塗るようにします。塗料性能を高める狙いもありますが、鉄とは言えど錆が進行しているほど塗料を吸い込んでしまい耐久性に重要な塗膜の厚みを確保できないからです。特に屋外の地上式やピット式の機械式駐機は構造も複雑です。一度錆びてしまえばさび落としである下地調整も複雑になります。
縞鋼板のパレットも含め、柱や梁まわりの鋼材など現実問題として錆が広範囲になれば2種ケレンのように鋼材の素地まで露出させるさび落としの作業は予算的にも効率的ではありません。ディスクサンダーなどを使用してさび落としは徹底するもののそれでも塗料が吸い込んでしまうときに重要なことは塗布量です。
タイヤとの接地面である床パレット部分は摩耗が激しく、鋼材との密着性からしても下塗りは耐久性を維持するためにも特に重要な行程です。
作業の様子
機械式駐車場の昇降可動部であるチェーンやスプロケット周りの塗装についてはあまり錆が発生しないもののオイルで汚染されていると剥離のトラブルにもなるためシンナー等でよくふき取り塗装をします。
床面の窪みや隅などの細かい箇所はハケで塗り、平面はローラーで塗ります。強力なさび止め性能を発揮させるためには、十分な量の塗料はもちろんのこと、シンナーを入れすぎて薄めすぎないように塗装するのが重要です。コスト偏重で「薄めて伸ばして」の作業では、高性能なさび止め塗料の性能を台無しにしてしまいます。
全体に隅々までさび止め塗料を塗ります。